09.11.11 <2009年度 第87回 関西学生サッカーリーグ 後期・第8節 Result>
■11月7日(土)@大阪長居第2陸上競技場 11:30 kick off
大産大 3(2−0)0 大体大
≪得点(アシスト)≫
大産大 5分 オウンゴール
41分 10 橘 章斗(13 西原 周平)
89分 26 川西 誠(9 西之宮 慎司)
残留をかけた直接対決。試合前に、大体大のMFG村田和哉は「もう内容はどうでも構わないです。結果だけです」と強く言い放っていた。
しかしキックオフから試合の流れを掴んだのは大産大。「大体大の攻撃は迫力があるけど、守備は突ける部分があるかも」(大産大I橘章斗)の言葉通り、大体大のDFを揺さぶる。開始5分で、リスタートの流れから大体大DFのオウンゴールを誘発。スコア的にも主導権を握る。大産大は登録上、H西之宮慎司のワントップだが、ピッチ上では前線の選手が目まぐるしくポジションチェンジをする。その動きに大体大が付いていけなかった。特にMFL西原周平は攻守に渡って前線でかき回す役目。バテるまで全力で走り続けた。
大体大としては、何とか前半を1失点でしのぎたかったのが本音だろう。だが、前半41分に大産大が追加点。DFD瀧北昌平の弾丸ロングスローから、こぼれ球を橘がシュート。「当り損ねたんですが、それでGKのタイミングがズレたみたいです」(橘)という弱い一撃だったが、ゴールに転がった。
後半から、大体大はFWI川西翔太を投入して勝負に出る。ただ、この日の大体大には運もなかった。交代カードの内、2枚を負傷での交代に使わなければならなかった。それでも、縦に速いサッカーで好機を作るが、シュートが枠を逸れてゆく。最後は、大産大がカウンターからMF26川西誠のゴールで決着を付けた。
(文:サッカーライター ハヤシ ヒロヒサ)
■11月7日(土)@大阪長居第2陸上競技場 14:00 kick off
桃山大 0(0−2)2 関西大
≪得点(アシスト)≫
関西大 33分 17 金園 英学(21 田中 裕人)
39分 17 金園 英学(20 川野 大介)
日本一を目指しながらも、ここ数試合、内容が伴わない関西大。島岡健太監督は「様々な意味での判断」をキーワードに挙げて、選手たちの修正能力に期待していた。結果的に、試合後、関西大の各選手から「内容がイマイチです」というコメントを聞く事になったのだが、それでもこの日は関西大らしさが戻っていたようには映った。ワンタッチ、ツータッチで細やかに速く回るパス。「フレッシュな選手を入れた」(桃山大・松本直也監督)桃山大だが、マークの受け渡しが遅れたり、ゾーンが空いたりと後手に回った。
関西大がパスは回すもののシュートまで到らなかったため、スコアはなかなか動かなかった。桃山大は前半が耐え時だったが、33分、DFのボールを関西大MF21田中裕人に奪われ、フリーで待ち構えるFWP金園英学のパスを回される。悔やまれる失点シーンだった。「一度、流れを失うと、なかなか取り戻せないのが現状」(松本監督)の言葉通り、6分後に関西大に追加点が入る。右サイドからDFS川野大介がアーリークロス。これが金園にドンピシャで合って2点目をマーク。桃山大は後半から投入したFW28加藤潤のサイズのあるポストプレーを上手く使いながら、逆襲に出、何度か決定機も作ったが、枠には1本も飛ばず。関西大が首位を奪った試合となった。
(文:サッカーライター ハヤシ ヒロヒサ)
■11月7日(土)@鶴見緑地球技場 11:30 kick off
阪南大 5(3−0)0 大教大
≪得点(アシスト)≫
阪南大 4分 10 棚橋 雄介(13 細野 元伸)
37分 14 東 浩史
39分 4 片山 直哉(44 岩本 知幸・3 朴 帝宣)
64分 7 井上 翔太(8 長瀬 圭佑)
74分 17 永岩 貞亮
前節の勝利で4位浮上の阪南大。首位との勝ち点差は6だが、同大、関西大との上位対決を残すだけに、下位チームからは確実に勝ち点3を奪いたいところ。対するは2連勝で自動降格圏から抜け出しつつある大教大だ。
4分、スタメンに戻ったFWL細野元伸のポストからFWI棚橋雄介が抜け出して阪南大が先制すると、その後も棚橋、MFM東浩史らが高い技術で大教大ゴールに迫る。大教大も17分までに二度の3連続CKで阪南大を圧迫するが、肝心のシュートで終われない。「次の得点がどちらに入るかが分かれ目」と大教大・入口豊監督は振り返ったが、37分にMFP永岩貞亮の思い切ったシュートをGK金川和也が止め切れず、東が押し込み阪南大が点差を広げると、わずか2分後、右サイド朴帝宣が上げたFKから最後はCBC片山直哉がプッシュし3−0、試合の流れは完全に阪南大が握る。
後半、スタートから反攻に出る大教大だが、64分に途中交代のMFF井上翔太のスーパーなボレーを浴び、そして永岩にもPKを決められついに5−0。大教大はもはや手の打ちようがなく、90分の経過を見送るしかなかった。勝った阪南大の勢いは本物。残り3節がとても楽しみになってきた。
(文:サッカーライター 貞永 晃二)
■11月7日(土)@鶴見緑地球技場 14:00 kick off
関学大 0(0−0)2 大院大
≪得点(アシスト)≫
大院大 69分 14 平岡 大毅(53 四ヶ浦 寛康)
82分 9 岡村 和哉(7 加藤 健太)
安定感抜群で首位を走る関学大。一方、大院大は10日間で4試合という強行日程を乗り越え、5戦無敗を続ける。
大院大には相手エースH村井匠をいかに封じるかが問題だった。村井独特の1テンポ早いタイミングのジャンプに2CBC吉井直人、63嶋尾巨人は苦しむが、「競り負けても、体を寄せて『芯』を外せ」という藤原義三監督の指示を忠実に遂行し、味方がこぼれを拾うという地道な作業が奏功した。さすが好調同士の対戦、大院大はFW53四ケ浦寛康、嶋尾、関学大は村井、FWR阿部浩之に絶好機が来るが、すべてワクを外す。
後半、村井に加えFW29持田和明を投入し、前線にもう1つポイントを作った関学大だが、大院大のハードワークがそれも消した。69分、大院大の鮮やかなカウンターが炸裂。右サイドからMFE高橋周也、四ケ浦とつなぎ、左を駆け上がったMFM平岡大毅がフリーで決め、長かった均衡が破れた。追う関学大は阿部の好シュートをGK@古矢光宏に阻まれ、混戦からのシュートもDFにブロックされる。そして82分、MFF加藤健太の絶妙クロスを岡村がGKの逆を突くヘッドで2−0、勝敗は決した。首位攻防の関関戦を前に関学大には痛い敗戦。大院大にはインカレ出場も見えてきた。
(文:サッカーライター 貞永 晃二)
■11月8日(日)@山城総合運動公園太陽が丘球技場B 11:30 kick off
びわこ大 5(1−1)1 京産大
≪得点(アシスト)≫
びわこ大 2分 7 小池 遼(25 篠部拓真・36 吉澤 春風)
51分 13 平野 甲斐
53分 25 篠部 拓真 (13 平野 甲斐)
59分 13 平野 甲斐(5 内野 貴志)
88分 13 平野 甲斐 得点(アシスト)
京産大 35分 2 濱田 太一
一部残留のために負けられない両チームの戦い。試合は開始早々に動いた。
2分、スローインのリスタートから見事な連携で最後はMFF小池遼が豪華に決め、びわこ大が先制する。その後もびわこ大ペースで試合が進むが終盤、京産大も粘りを見せ35分、MFL中武真哉のFKからのゴール前の混戦のこぼれをDFA濱田太一が押し込み前半のうちに同点とする。
後半開始5分、びわこ大FWL平野甲斐の飛びだしを阻止したとして京産大・濱田が退場処分を受ける。これにより得たPKを「緊張してた」と言いつつも平野がGKを良く見て狙い澄ましゴール左隅に決め、びわこ大が勝ち越す。京産大は納得のいかないカードで集中力が途切れ、DFが退場したことで補充の為の選手交代を余儀なくされる苦しい状況に。その後、「勝たなければならない試合だったため前掛かりになっていた」(古井裕之監督)京産大に、びわこ大が怒涛の攻撃で2点を連取し試合を決定付けた。
88分にもびわこ大・平野が自身として公式戦初のハットトリックとなる得点を決めダメ押し。「個人タイトルよりもチームが勝つことが全て」と平野。5−1の快勝を笑顔で語った。
(文:関西学連J)
■11月8日(日)@山城総合運動公園太陽が丘球技場B 14:00 kick off
同大 0(0−1)2 立命大
≪得点(アシスト)≫
立命大 2分 10 内田 昂輔(24 加藤 恒平)
78分 8 福本 尚純
前節、両者ともに勝ち点を落とし迎えた宿命の一戦。現在リーグ上位に位置し、熾烈な順位争いを繰り広げる両チーム。優勝戦線に残るためにも、互いに負けられない一戦となった。
試合が動いたのは開始わずか2分。立命大MF24加藤恒平が左サイドからあげたクロスにI内田昂輔が反応。絶妙なタイミングでゴール前に飛び込み、ヘディングシュートを決める。まだボールが落ち着かない時間帯での先制。「あの1点があったから流れにのれた」(福本尚純主将)。逆に立ち上がりの失点により厳しい状況を強いられた同大。立命大ゴールに向かいパスを繋ぐがフィニッシュまで及ばず、前半のシュート数を互いに1本ずつとし、後半を迎えた。
76分、同大DFD永戸康士のファールによりペナルティエリア中央付近からのFKを得た立命大。蹴るのは、福本。壁を超えたボールは綺麗な弧を描き、そのままゴールへ。勝負を決定づける直接FKが決まった。
「結果につながれば気持ちで体も動くが、(今のチームには)停滞感がある」と、試合後2連敗中の現状を振りかえった同大・望月慎之監督。同じようにチャンスを決めきれず、敗戦を喫していた両チーム。リーグ終盤に向け先を見据える両者を、大きく分かつ一戦となった。
(文:同志社スポーツアトム編集局 伊藤 紗由里)
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